亜麻仁油(アマニ油)の食べ方・選び方・注意点・Q&A

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亜麻仁油

亜麻仁油は、アマ科の植物である「亜麻の種」から採取できるオイルのこと。亜麻という植物自体、日本人にはあまりなじみがないと思います。麻にちょっと似た植物なのですが、「麻よりも、柔軟性と強度にすぐれた繊維がとれる」という違いがあります。

亜麻は北米やカナダで栽培されていて、それらの地域や欧米では、亜麻仁油はポピュラーな食用油として広く認知されています。

ちなみに亜麻仁油の色は、黄色い色をしています。「亜麻色の髪」というと金髪または栗毛をイメージしますが、そんな色をした亜麻から摂れる亜麻仁油も、かなり「亜麻色に近い色」なのです。

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オメガ3とオメガ6の摂取量のバランスを整える

サラダに亜麻仁油を

亜麻仁油がなぜ欧米でそれほど広く認知・支持されているのかというと、亜麻仁油に豊富に含まれる必須脂肪酸・オメガ3による期待が高まっているからです。


亜麻仁油にたっぷり含まれるオメガ3とは

亜麻仁油は「オメガ3を豊富に含有する健康油」として、近年人気が高まりつつあります。

ちなみに、オメガ3とは「必須脂肪酸」のひとつ。もうひとつの必須脂肪酸としては、オメガ6が挙げられます。

そして、必須脂肪酸のうち、オメガ6については、なたね油や紅花油・コーン油などの一般的な植物油などでも問題なく摂取できるので不足しにくいのですが、オメガ3を豊富に含んでいる油というのはとても貴重。

だからこそ、亜麻仁油が注目されてきているというわけなのです。

オメガ3の種類

さて、必須脂肪酸のオメガ3というのは、実は、ひとつの脂肪酸を指す言葉ではありません。オメガ3には、「α-リノレン酸」「DHA」「EPA」の3種類があります。

この3種類のオメガ3のうち、亜麻仁油に含まれているのはα-リノレン酸。亜麻仁油のα-リノレン酸含有率は、おおむね50〜60%。

つまり「摂取した亜麻仁油の半分程度またはそれ以上が、α-リノレン酸である」ということになるのです。

これに対して、一般的な植物油の場合、α-リノレン酸含有率はゼロから数%程度。この数値の違いを見ただけでも、亜麻仁油が「とんでもないレベルでα-リノレン酸が多い=オメガ3がしっかり摂取できる油である」ということが分かりますね。

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亜麻仁油の食べ方・調理のコツ

熱に弱い亜麻仁油を料理に使うためのコツ

「フライパンに亜麻仁油をひく」は絶対にやめよう

亜麻仁油を料理につかうことができれば、必須脂肪酸であるオメガ3をたっぷりと摂取することができます。

しかし、ここで問題になってくるのが、亜麻仁油の「熱に対する弱さ」です。

「油と言えば、炒め物などに使うものだから熱に強い」というイメージを持っている人も多いですが、それはあくまで「サラダ油やごま油のように、加熱調理で使うことを前提としている油」に限った話。

亜麻仁油は油の中でも非常に熱に弱い部類の油で、加熱をすると変質し、むしろ体に悪い存在となってしまうのです。

ですから「亜麻仁油をたっぷり摂るために、サラダ油の代わりに亜麻仁油をフライパンにひいて炒め物を作る」などといった調理は、絶対にやってはいけませんよ。

加熱調理そのものはごま油で!

では、亜麻仁油をどうやって料理に使えばいいのかというと・・・

「炒め物などを、油少なめの状態で作り、完成して多少熱が取れてから亜麻仁油を上からかける」というのが正解です。油が少なめの状態でもきちんと調理できるように、フッ素加工のフライパンなど「食材がくっつきにくい調理道具」を使うといいでしょう。

ちなみに、炒め物などの激しい加熱に使う油は、断然ごま油がおすすめ。

ごま油は、数ある油の中でも加熱に対する強さは文句なしのトップクラスで、加熱による酸化リスクが他の油よりもずっと低いのです。

「ごま油を少量使って炒め物ができてから、少し熱が取れたところで亜麻仁油をかける」というような流れを守れば、毎日の食事から亜麻仁油を簡単に摂取することができるようになります。

亜麻仁油は味噌汁・スープに使えるか?

亜麻仁油は「少量でも毎日摂取」が望ましい

亜麻仁油にたっぷりと含まれる必須脂肪酸・オメガ3は、毎日体の中で消費されていくもの。

たとえ、「今日はたっぷり摂取した!」という日があっても、そのたっぷりのオメガ3が、長い間体に残ってくれるわけではありません。

だからこそ、亜麻仁油の健康効果を得るためには「たとえ少量でも、毎日続けて摂取する」ということが大切になってきます。

となると、「毎日の食事で亜麻仁油を摂る」ということが大切になってくるのですが、私たちが日々の食事の中でよく口にしている「味噌汁」や「スープ」に、亜麻仁油は使えるのでしょうか?

熱々の味噌汁・スープには使えない!

まず結論から言うと、「できたてアツアツの味噌汁・スープには亜麻仁油は使えない」というのが答えとなります。

なぜなら、亜麻仁油は、温度が70度以上の環境に置かれると、酸化が急速に進んでしまうからなんですよ。

酸化しきった亜麻仁油は、体にいいどころか、毒になりかねません。

だからこそ、「温度が70度を超える、できたてアツアツの味噌汁・スープには使えない」という結論になってしまうのです。ましてや「味噌汁やスープの具材を入れるのと一緒に亜麻仁油を入れる」なんてのは論外ですよ。

5分以上冷ましてから!

味噌汁やスープに亜麻仁油を入れる場合は、「味噌汁やスープを器に入れて、最低でも5分は冷ましてから亜麻仁油を入れる」ということを心がけるといいでしょう。

「とろみ」がついていなければ、5分もたてば、ほとんどの味噌汁&スープは70度を下回る温度まで下がります。

ただし、とろみがついている味噌汁やスープは、「5分程度待つだけでは、まだまだ70度を超える熱い状態である」という可能性もありますので、こちらは念のため、10分程度待つようにしましょう。

こうすれば朝食で亜麻仁油を摂取できる!

朝から元気に健康に1日をスタートさせる」というためにも、亜麻仁油はぜひ朝食で少し摂取しておきたいものです。

「朝から油〜!?食べにくそう」と思ってしまう人もいるでしょうが、工夫すれば、朝食で亜麻仁油を無理なく摂取することができますよ。

サラダにかけよう!

朝食で亜麻仁油を摂取するお手軽な手段としては、野菜を食べる人なら「サラダにかけるドレッシングに亜麻仁油を混ぜる」というのがおすすめ。

ノンオイルドレッシングと亜麻仁油を混ぜたものをかけると、ちょうどいい感じになるでしょう。

パンに塗ろう!

「亜麻仁油をパンに塗る」というのもいい手です。

といっても、そのまま亜麻仁油をべたっとパンに塗るのではなく、ハチミツとしっかり混ぜたものを塗るのがおすすめ。

ハチミツの甘さと亜麻仁油のコクは、意外と相性がいいので、思った以上においしく食べられると思いますよ。

マーガリンなどの「体に悪い油」をパンに塗るくらいなら、この方法を選びましょう。

野菜ジュース・青汁に入れよう!

野菜ジュースや青汁を朝食時に飲む習慣がある人は、そのジュースや青汁に亜麻仁油を少したらす、という摂取方法が手っ取り早くておすすめですね。

野菜ジュースは、「にんじんを使ったものが、特に亜麻仁油と味的に相性がいい」と言えますので、にんじん入りのものを作る、あるいは買うのがおすすめです。

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亜麻仁油の選び方・選ぶ際の注意点

亜麻畑


「良質な亜麻仁油」を選ぶためのポイント

「どの亜麻仁油でも同じ」ではない

亜麻仁油は、さまざまな健康効果をもたらしてくれることが期待できる、とてもすぐれた油。近年では知名度も上がってきて、スーパーなどでも手軽に入手できるようになりましたが、せっかく亜麻仁油を買うのなら、質にもこだわりましょう。

「亜麻仁油なんて、どれも同じじゃないの」と思われるかもしれませんが、そうではありません。市販されている亜麻仁油には、良質なものもあれば、残念ながらそうではないものもあるのです。

良質な亜麻仁油を見分ける最大のポイントはここだ!

良質な亜麻仁油を見分ける最大のポイントは、「自然な形で油を搾りだしているかどうか」という点です。

「低温圧搾」あるいは「コールドプレス」で作られた亜麻仁油を選びましょう。

薬剤などの化学的処理によって抽出されているものがダメなのはもちろんのこと、低温圧搾ではなくただの「圧搾」としか書かれていないものも、実は要注意。

なぜなら・・・「圧搾」としか書かれていないものは、高温圧搾である可能性が高いからです。高温圧搾は「熱をかけてプレスし、油の抽出量を多くする」という圧搾法のため、熱に弱い亜麻仁油の場合は酸化ダメージを受けてしまう可能性が高い、というデメリットがあるんですよ。

有機・無農薬の亜麻仁油を選べばなおベター!

というわけで、良質な亜麻仁油を選ぶためには、パッケージ等に「低温圧搾」あるいは「コールドプレス」という記述があるものを選ぶのがおすすめ、という結論になります。

そして、さらにその中でも、原料の安全性そのものにこだわって、有機または無農薬表示のあるものを選べばなおベターです。健康と美容のためにずっと飲み続けるものだからこそ、こうした点もチェックしていきたいですね。

亜麻仁油の購入・保存における注意点

購入時の注意点

亜麻仁油を購入する際に、一番注意してチェックしたいのが「亜麻仁油がきちんと遮光されているかどうか」ということです。

亜麻仁油は、非常に酸化しやすい油で、ただ光を浴びただけでも、どんどん酸化が進んでしまいます。

だからこそ、亜麻仁油は「遮光性のある容器に入っているものを選ぶ」というのが鉄則。これを守れていないメーカーは、亜麻仁油のことをよく分からずに商品化している、と言わざるを得ません。

あと、亜麻仁油購入時の注意点はもうひとつあります。

それは・・・「割安だからと言って、たっぷりサイズの亜麻仁油を買わないこと」です。

大きな容器にたっぷりの亜麻仁油が入っていても、それを一般家庭で消費しきるまでには、どんどん酸化が進んでしまいます。

使い切るまでに日数がかかってしまうような状態だと、残り少なくなった時点では「酸化が進んで変質し、体に悪い油になってしまっている」ということもあり得るのです。

ですから、たとえ少々割高であっても、小さめの容器に入ったものを選ぶようにしましょう。

保存についての注意点

「とても酸化しやすい」という大きな弱点を持つ亜麻仁油は、保存方法も注意する必要があります。

まず、亜麻仁油はきちんと遮光性のビンに入っていると思いますが、遮光をビンだけに頼る、というのは、やや不安。

できれば、購入時の箱を残しておき、「使用時以外はその箱に入れておく」というのがおすすめです。また、箱がない状態のものについては、「アルミホイルでビンを包む」という形にするのがおすすめです。

そしてさらに、亜麻仁油は「常温保存」はNGです。必ず、冷蔵庫に入れて保存するようにしましょう。「一般的な油」としてではなく「生鮮食品に近いレベルの保存を」と心がけて下さいね。

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亜麻仁油 QandA

生活の一場面


亜麻仁油はどれくらい摂ればいい?最低摂取量は?

・・・まず、必須脂肪酸オメガ3の必要摂取量は、個人の体格にもよりますが、おおむね小さじ半分程度と言われています。

で、亜麻仁油は、全体の5〜6割が、オメガ3であるα-リノレン酸でできていますから、「小さじ1杯程度」摂取しておけば、それだけで何とかオメガ3の必要摂取量は満たせる、ということになります。

生魚やナッツ類など、他にオメガ3を含む食品を食べる機会がある人なら、小さじ1杯以下にしてもいいですが、そうでない人は「最低でも、1日あたり小さじ1杯の亜麻仁油を摂取する」というのが基本となります。

オメガ3は魚の油から摂る方がいいのでは?

オメガ3と言えば、魚の油!?

健康を維持するために欠かせない必須脂肪酸・オメガ3。

亜麻仁油は、このオメガ3を非常に豊富に含む健康油として近年注目度を高めつつありますが、日本においては「オメガ3が豊富なのは魚類」というイメージがありますよね。

事実、オメガ3であるDHAやEPAのサプリメントは、そのすべてが「魚の油から摂取している」という状態になっています。

この現状だけを見ると「オメガ3の摂取は、亜麻仁油を摂取するよりも魚をせっせと食べたほうがいいのでは」と思えてきますよね。

ですが・・・実は「魚を食べることのみで、オメガ3をじゅうぶんに摂取する」というのには、少し問題があるのです。

魚を食べることのみでオメガ3を摂取することの問題点

魚を食べることのみで、オメガ3を摂取することの問題点として挙げられるのが、コスト面と栄養バランスの悪さです。

魚を大量に買うのはコストが高くつきますし、また、いくら「魚が健康にいい」と言っても、それだけでオメガ3を十分に摂れるほど毎日食べるとなると、それだけで量が多いので他の食べ物があまり食べられなくなり、栄養バランスの崩れが気になってきます。

また、魚料理と言えば、塩焼きや煮つけ、しょうゆをたっぷりとつける刺身など、塩分が多くなりやすいのも事実。

こうした点を考えていくと、魚のみでのオメガ3摂取は少し無理がある、ということが分かりますね。健康のために魚は適度に食べつつ、亜麻仁油で足りない分を補う、というほうが理想的なのです。

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